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サルやヒトの脳には沢山の視覚野がある



図1 大脳皮質の視覚野は目に映る映像をその位置関係を崩さずに大脳皮質表面に投影している。但し、目の水晶体(レンズ)を通過することにより、カメラと同様、上下と左右が逆転している。この図では視野の縦の中心がで、視野の水平線が×で、視野の周囲がで表示されている。左の図はサルの右脳を描いているので、右脳には左視野が投影される。また上下逆転により、視野の上は大脳皮質の下方に、視野の下は大脳皮質の上方に投影される。この視野のマップを手がありとして大脳皮質の後ろの部分(後頭葉)にある第一次視覚野(V1)、第二次視覚野(V2)、第3次視覚野(V3)、V3A野、第四次視覚野(V4)、第五次視覚野(V5、別名MT野)などが同定できる。視覚情報処理を主要な働きとする大脳皮質の領域は後頭葉よりも前の領域にも広がっており、頭頂葉の後方部分、側頭葉の下部、前頭葉の一部も視覚野と見ることができる。これらの領域では、後頭葉で見られたような視野の位置(網膜上での位置)に対応した規則的なマップは次第に不明瞭となるが、機能的な相違からさらに複数の領域に分類されている。


図2 大脳皮質の展開図、大脳皮質の溝を展開し、さらに一部に切れ目をいれることによって大脳半球の皮質をすべて平面上に展開している。左が後ろで右が前。この図の中、V1, V2, V3, VP, V3A, V4, V4t, VOT, DP, MT, MST, PO, PIP, LIP, MIP, VIP, MDP, 7a, FST, PIT, CIT, AIT, STP, TF, TH, 36, FEF, 46は視覚情報処理を主要な働きとしている。(Fellerman and Van Essen, Cerebral Cortex, vol 1, 1-47, 1991を参考に再描画)


図3 目から入った視覚情報は第一次視覚野にたどり着いた後、さらに前方に送られ次第に複雑な処理を受ける。このとき、情報処理が相対的に前のレベル(下位)の視覚野と情報処理が相対的に後のレベル(上位)の視覚野の間には双方向の情報のやりとりがあり、その連絡の様式と大脳皮質の層構造の間に規則性がある。下位から上位への情報は主として大脳皮質の上の層から出て投射先では中央にある4層に入る。上位から下位への逆行性の情報は主として浅い層と深い層から出て、投射先でも浅い層と深い層に分布する。(Fellerman and Van Essen, Cerebral Cortex, vol 1, 1-47, 1991を参考に再描画)


図4 図3で見たような法則性を手がかりてして、図1で分類した大脳皮質の領域間の結合を描いた図。(Fellerman and Van Essen, Cerebral Cortex, vol 1, 1-47, 1991を参考に再描画)


図5 さらにミトコンドリアの中に多いチトクローム酸化酵素を染め出すと、第一次視覚野には斑点模様が現れ、第二次視覚野には縞模様が現れる。第一次視覚野の斑点模様はブロブと呼ばれブロブの中の神経細胞は色や明るさの違いで応答が変化し、ブロブの外の神経細胞は傾きの違いで応答が変化する。第二次視覚野でチトクローム酸化酵素で濃く染まる縞には細い縞と太い縞があり、細い縞の部分には色や明るさで応答の変化する細胞があり、太い縞には動きの方向の違いや奥行きの違いで応答の変化する細胞がある。またチトクローム酸化酵素で濃く染まらない部分には傾きの違いで応答の変化する細胞がある。これらの領域にはそれぞれ規則的な結合がある。



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(このページに関する連絡先:三上章允)