宮嶋研究室
 

研究紹介

"ソーシャル・アビューズ"とDI者の権利擁護

第57回日本生殖医学会学術講演会・総会が11月8日(木)~9日(金)に長崎市内で開催されました。また、10日(土)には市民公開講座が開催されました。
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 全体テーマは、「家族のきずなを求めて」であり、生殖補助医療技術で生まれてくる子どもとその家族のこと、遺伝と倫理の側面からみた家族の歴史、遺伝カウンセリングなどが話題となりました。
 8日の理事長講演では、理事長である慶応義塾大学病院の吉村教授が「非配偶者間生殖補助医療で生まれてくる子どもの出自を知る権利」を重要な権利として認める「管見」を示し、従来までの姿勢・認識が大きく変化したことを自らも認めておられました。
 9日のシンポジウム8「非配偶者間生殖補助医療の問題点」では、非配偶者間生殖補助医療にかかる、これまでの歴史的な動きと認識が国際的にも整理され、最近の動向としてオーストラリアの出自を知る権利に関して報告されました。また、同シンポジウムでは非配偶者間生殖補助医療で生まれた子ども(当事者)の発言もきかれ、聴衆約250人に驚きと共感の声が多く寄せられました。
 第三者の関わる生殖補助医療で生まれた子どもの出自を知る権利にかかる本学会の姿勢が大きく変化してきたことを印象付ける内容であり、今後の法制化に寄与するものとなるだろうと確信しました。
 また私は、9日の16時からのセッションで「"ソーシャル・アビューズ"と出自を知る権利の相関に関する理論的考察」を口演し、上記の動きを支持するとともに、生殖補助医療が子どもとその家族に対する権利侵害というリスクを出来る限り早期に減らすために、ニュージーランドの親子のあり方や文化の尊重のあり方を参照し、法制度化を進める必要性があることを主張しました。
活用したスライドショーは、 art-2012 pp.pptのとおりです。
art-2012- (2).JPG 口演の様子
 この口演は、科研費による課題研究「第三者の関わる生殖技術とソーシャルワーク」によるものであり、昨年度に続き、2度目の報告になります。
 厚生労働省の専門委員会の報告から10年が経過しようとしている今、生殖補助医療技術に関わる法律の整備にかかる自民党案が作成され、いよいよわが国においても一定の決着が図られる日が近づいてきています。子どもの福祉の観点から、より一層研究とソーシャルワークを展開していかなければならないことを実感する学会となりました。

 長崎といえば、被爆地であることを忘れることは出来ないでしょう。
空き時間を使って平和公園を訪れました。平和教育の場として、高齢者のガイドさんたちが活躍しているところ、子どもたちが折鶴を誓いの言葉を朗読しながら手向ける姿が印象的でした。
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art-2012-.JPG  長崎の夜景-香港・モナコに並ぶ新世界三大夜景