宮嶋研究室
 

研究紹介

アクション&リジリエンス

2012年6月8~10日、関東学院大学にて日本ソーシャルワーク学会第29回大会が開催されました。大会テーマは「リジリエンスによるソーシャルワーク論とその実践」でした。
 

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 8日のワークショップ「『ソーシャルアクション』を伝えるための新しい教授法」は、参加者8名
+主催者3名という少人数で行われました。

主催者である川村隆彦(神奈川県立保健福祉大学)は「わが国のソーシャルワーカーのアイデンティティであるソーシャル・アクションはどこへ行ったのか?」という問題意識を強調され、高度なソーシャルワーク感覚で参加者をファシリテートされました。

参加者である私たちが体験したことは、皆で紙のタワーを作り、ガラス瓶に水を注ぎ、紐でつながれた紙皿にのせた瓶の水を、こぼさないように障害物の中を皆で運ぶ。こうした体験でした。ある人は、紐を放したい衝動に駆られ、障害物を蹴飛ばしてよけ、主催者の指示に従わない学生の気分で取り組まれました。けれども、それも主催者にして見れば、経験済みの反応であり、事例として掌握された行動であったようです。ワークショップとは、「経験した者(共有者)」でなければ、了解できない感覚を味わえるものなのです。

ワークショップの意図をもう少し具体的に言及すれば、①意図的な経験を参加者が共有することを通して、②自由な立場・自由な発想を分かち合い、③その気づきをソーシャルワーク的解釈としてどのように説明できるのかを話し合う、という展開で進められました。そして後半、そうしたソーシャルアクションを紡ぎだすソーシャルワーク感覚によるソーシャルワーク教育の場面での、応用モデルの実際が紹介された。

 ソーシャルワークは実践の学である。私たちが学生たちにソーシャルワークのソウル(魂)をいかに伝え、新たなアクションを創造させていけるのか、それを問うとき、こうしたワークショップ(教室での「演習」)は更なる輝きを放つだろうと感じた一日でした。

 9日(土)は、リジリエンスに関係する「基調講演」「シンポジウム」が行なわれました。リジリエンスとは、回復力と訳されることがある概念で、演者は概ね「逆境の中にある人びとが適切に場面に対応していく力を身に付けていくサポート」と了解し、ソーシャルワーク援助の一つに位置づけていました。人の成長には様々な要素が誘因となり結果が生じますが、リジリエンスは、そのうちのいくつかに着目し、系統立てて解釈し、人と環境の相互作用を説明しようとする視点からのアプローチとして示されました。