宮嶋研究室
 

宮嶋研究室

社会福祉士が社会福祉士を育てる

2011年12月17日(土)~18日(日)の2日間、中部学院大学関キャンパスにおいて、厚生労働省指定「社会福祉士実習指導者講習会」を開催しました。
次年度以降は、この講習会を受講している社会福祉士でなければ社会福祉士養成課程における相談援助実習の指導者になれないことになっています。
今年は50人の定員で受講者を募集しましたが、最終的には100名を超す受講希望者があり、すべての方を受入れることとしました。
この講習会を契機に、社会福祉士のアイデンティティや態度・姿勢を伝えていく現場実習が推進されることを願っています。
ji-11-1.JPG 開会のあいさつの様子

まさに「社会福祉士が社会福祉士を育てる」時代の到来だと感じています。逆に言えば、送出す側の私たちの責任も重大になってきたと考えます。日々精進でしょうね。
ji-11-2.JPG 講習会の様子

 

研究室日記

社会福祉士組織の社会的使命を再構築

2011年10月16日(日)13:00~16:00まで、東京都内の会議室で、社団法人日本社会福祉士会の今後のあり方について、公益社団法人移行検討委員会が開催されました。
 この委員会は、去る9月10・11日に開催された都道府県支部長会議に対して日本社会福祉士会執行部から提案がなされ、設置されるに至ったものです。
この委員会の目的と検討内容は、日本社会福祉士会が今後、連合体体制をいかに構築していくのか、あるいはその先にある公益社団法人としてどのような組織・構造・機能を発揮していくのかを総合的に検討し、47全都道府県士会が合意できる提案を構想するというものです。そのため具体的な議論として、1、会のガバナンスについて、2、日本と都道府県士会の役割と機能について、3、現在の会員の個人情報の取り扱いについて、4、公益社団法人に移行するための日本社会福祉士会の事業の仕分けなどを協議することとなっています。とくに「連合体とは何か」「正会員の権限と責任とは何か」「都道府県支部が法人化した意味は何か」「公益性とは何か」など、一つひとつ合意していくべき事項が多く提示されています。

このような議論が実りあるものとなり、社会福祉士が真に市民とともに、市民のWell-Beingのために、心地よく働けることを支援できる組織が再構築されるよう尽力したいと考えています。

次回の委員会は、123日(土)午後2時~の予定です

 

私のこと

3つのワーク-高校・大学の生活と学び-

 英語力の無さに悩まされ、賢い人が世の中には数限りなく存在するのだなあ、と実感させられ、「居場所」探しから始まった高校生活でした。片道9kmを自転車で通ってみたり、古典の授業をサボって、屋上で昼寝をしてみたり、生徒会の役員をしてみたり、体形(肥満気味)にあわせて購入した制服が「長ラン」のようだったり。それでも「自主・自律()・自学」の精神に救われた3年でした。

 高校時代の「嫌い科目」を克服できず、「ゆるさ加減」に人間味を感じて、「幸せになりたいなあ」という思いから福祉の道をめざしました。

 大学生ばかりが住む安アパートのお花見で、「お腹いっぱい=野球部入部」という網に引っかかり、ベンチウォーマーの日々が始まりました。チラシ配りのコーラスグループを昼休みにボゥーと眺めていたら大学祭実行委員になっていました。そして「一年間ボランティア」。これは生涯を左右した原体験となっています。

 さまざまな活動を通じて得た「3つのワーク」とは、チームワーク・ネットワーク・フットワークをさします。そして今、4つ目のワークを以下のように大事にしています。 

研究内容と方法-ヒトの萌芽にはじまるWell-being-

 わが国では、血のつながりが家族の絆の前提であると考える傾向は根強いものがあります。「子どもが欲しい」と願うカップルの多くは「私たちの子ども=血がつながっている=遺伝子が継承される」を想定しているといえるでしょう。7組中1組以上とされる不妊に悩むカップルの多くは「養子縁組」ではなく「不妊治療」で、子どもを持つという願いを叶えることを選択しています。わが国の不妊治療の水準は、世界的高レベルにあり、医療技術としての安全性や信頼性は保持されています。しかしながら、ただ一点、高度な不妊治療を経由した家族の絆の構築が、「子どもの最善の利益=子どもの福祉」という観点が十分に吟味しているのだろうかと疑問になります。

 不妊治療という生殖科学の進歩は、ヒトの発生に医療の関与を可能とし、「ゆりかごから墓場まで」という福祉の範ちゅうを揺さぶり、出生以前におけるヒトの萌芽の段階から、ヒトの福祉を捉えていくための明確で説得力のある思想・哲学を必要としています。すなわち、人間のWell-beingに関する社会科学である人間福祉学の範ちゅうは「ヒトの萌芽(胎生期)」のあり方にまで及ぶマイクルレベルを想定して、ヒトの福祉を問うていく領域に踏み込んだ議論が必要になってきたのです。

これを私は、環境倫理学の問題提起の仕方を参照し、未来志向型人間福祉学と仮に呼びたいと考えています。

 不妊治療はステップアップするといわれています。そのステップの先端は「代理母」であり「非配偶者間体外受精」です。200012月に国は「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書」を公表し、法制化するために①生まれてくる子の福祉を優先する、②人を専ら生殖の手段として扱ってはならない、③安全性に十分配慮する、④優生思想を排除する、⑤商業主義を排除する、⑥人間の尊厳を守る、基本原則とすることとしています。それから約10年が経過した今も、結論が出ず議論され続けているのです。

問われているのは「生まれてくる子の福祉を優先する」とは、どのようにすることなのか、ということです。定着しつつある見解として、国連子どもの権利条約の第7条に「親を知る権利」が明記されており、これが「子の出自を知る権利」を擁護しているというものです。つまり、わが国が子どもの権利条約の批准国であるならば、子どもが親を知る権利も子どもの権利の1つとして保障しなければならないという考え方です。その一方で、同条約第7条が遺伝子レベルに及ぶ見識を含んでいるという根拠は見当たらないのです。また、不妊治療を選択したカップルが、子に対して「あなたを心から愛し、あなたを私たちの家族に迎えたかったから、私たちは不妊治療を選んだの」と、自信をもってテリング(真実告知)し、ウソのない、安定した安心できる家庭を築ける保障もないのです。現状で唯一言えることは、ウソが長く続かないほうが子どもの傷つきが少なく、ある情動が生起されても、次第に回復し、新しい物語を構築する力が子にも親にも沸いてくるということです。

「子どもの福祉」を実現するためには「子どもの声」に耳を傾け、子どもが参画の梯子をのぼれるよう、条件・状況を整えることが、私たちにできることではないだろうか。とくにソーシャルワーカーが担う権利の擁護とは、当事者の声(非言語含)を無私・無知の姿勢(先入観に囚われない)で聴くことからはじまると考えます。

 

研究紹介

 2012年度の担当科目

[通学]

 ボランティア活動論  児童福祉論  児童福祉特論

 スクールソーシャルワーク論

 社会福祉援助技術論 ・ 社会福祉援助技術演習 ・ 社会福祉援助技術実習指導

 社会福祉基礎演習 ・ 社会福祉専門演習

[通信]

 スクールソーシャルワーク論

 卒業研究

 

学会へのお誘い

この度、日本社会福祉教育学会のニュースレター編集委員を務めることになりました。
第一回目の作業の成果は  NL2012-2.pdf のとおりです。
小規模な学会ながら、社会福祉専門職教育の明日を探求し、大学教育一般や社会福祉士養成のあり方等を活発に議論しています。
ぜひニュースレターを一読いただき、学会への参画をご検討下さい。