宮嶋研究室
 

研究室日記

どこまで進む!?生殖医療

2015年04月30日

2015年4月26日~29日にかけて、横浜・国際会議場においてIFFS/JSRM国際会議が開催されました。会のテーマは、「生殖医療における新しい卓見と革新-アジアから世界へ-」です。
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 昨年の大会では「生殖医療とがん治療」が大きなテーマでしたが、今年はスウェーデンにおける「子宮移植と生児獲得」がトピックとして議論され、日本においても研究が進み、当事者も望みをかけているという情報提供がなされました。この議論においても、「子どもの福祉」は、議論の焦点の1つであり、生存していない当事者である生まれてくる子どもの福祉をどのように擁護していくのか、倫理的法的社会的な議論が必要となっています。
 また、JSRM(日本生殖医学会)においては、今大会が60回記念大会であり、学会理事長の吉村教授から「不妊治療から生殖医療へのパラダイムシフト」が講演されました。吉村教授の議論は、わが国における生殖医療の60年の変遷を、その時々のトピックを交えて、とても分かりやすく紹介するものでした。吉村教授の言葉を借りれば、「不妊治療は『自然の生殖の再現』であったが、生殖医療は『生殖の可能性の創造』を担っている」ということです。たしかに「体外受精」「顕微授精」「代理母」「凍結保存」「着床前診断」「子宮移植」など、医の技術のすさまじい進展がありました。そして、それは「生殖グローバリズム」を社会化しました。さらに自分たちの世代だけでは完結しない「リスク・ファクター」も生み出しました。生殖医療は今、「生殖長期予後」を丹念に記録化していこうとしています。
私の科研費による研究も、この世の中に多く生み出された生殖医療により生まれた子どもが、今及び将来にわたり、排除されることのない社会を構築していくための研究です。変化のスピードに驚いている暇はなく、「子どもの幸せ」そして「新しい家族の幸せ」を追求していかなければなりません。
20150426 JSRM (2).JPG 会場に展示された学会60年のあゆみ
20150426 JSRM (1).JPG 生殖医療の最新設備が並ぶ(顕微授精機器)
20150426 JSRM (3).JPG 世界各地から寄せられたポスターの一部
20150426 JSRM (5).JPGのサムネール画像 ベスト・プレゼン賞の授与式
20150426 JSRM (4).JPG ウェルカム・レセプションの開会式
この国際会議の前日には「家族を創る~Building a family」と題するパネルディスカッションが東京都内で開催されました。東京医科大学病院の久慈教授が主催するこのイベントには、AIDで生まれた方や親の会、養子縁組を50年にわたり支えてきた協会の関係者などが集いました。また、ニュージーランドのケン・ダニエルズ教授も来日され、日本における「出自を知る権利」の保障のあり方について議論がなされました。
今後、自民党PTが法案化を進めている生殖医療法がどのような形に結実するのか、それに対して関係者がどのような姿勢で臨むのか、そうした議論もなされました。

私は「日本型ソーシャルワーカー」として、日本の社会福祉やソーシャルワークは、「法整備」によって前進する性質を踏まえ、「法整備の必要性」を訴えました。